指揮者の独り言 その16「いい音」

しっかりした抜けのある音、ていねいな音、がしゃがしゃしない音、よい響きの音、 そういう表現をよく使います.それっていったい何なのか、どうすれば出るのでしょ う。

マンドリン弾きのはしくれとしていろいろ聞いたり試したりしてます。で、私の独断 に満ちた結論は左手です.

つまり、ピッキングの方法による負の効果よりも左手の押さえによる負の効果の方が 大きいと思うのです。しっかり押さえないといくらじょうすにピッキングしても音は 響きません.想像以上に強い力で指板を押さえつけないとちゃんとした音は出ないと 思うのです.

押さえ方の訓練ってないかしら.と考えたところ、私の結論は、ビブラートです. 速いパッセージでは無理ですが、ゆっくりしたフレーズでは一音ずつしっかりビブラー トするように心がけると、自然に響きがたくさん残るようになると思うのです.

左手の訓練には、ほかにスナップがあると思います.スナップって私自身はあんまり つかわないことばですが、アコースティックギターの世界では、ハンマリングオン、プリングオフ、などと言 うことばを使います.文字通り、指で指板を叩くのと、押さえた弦を横に引っ張りな がらずらしてはじく奏法です.これを一度に連続して使うこともありますね.マンド ラのような大きな楽器では非常に効果的ですが、ドリンではかなり苦しいです.しか し、これをやると飛躍的に左手の押さえる力が増すと思います.

で、左手をしっかり押さえようと言うことです.

パストラルファンタジーにおいてフーガでのトレモロの指示も,響きが十分残るように弾けば私はピッキングで十分だと思う ようになりました.スラーや長音はトレモロだというのを金科玉条のごとくふりかざ すのはやっぱりおかしい.

で、この話をほんとのものにするには、やはり演奏者ひとりひとりが、しっかり押さ えて、生きた音を出すように日々練習に励むべきだと思うわけです.
独り言表紙へ帰る