その15「演奏会MCその2 ディジタルとアナログ」
昔,いくつか出張出前コンサートをやってきた中で,お話したMCの一部を紹介します.
テーマはディジタルとアナログです.これは全然正確ではないのですが,イメージとして伝えるために,マンドリンとコンバスを例にとって説明しました.
ディジタルは,数字のと言う意味で,今は離散的な,と言う意味合いで使っています.これに対してアナログは,アナロジということばあるように,類似,という意味ですが,ディジタルに対応して,連続した,という意味で使っています.
そこで,これを楽器に対応させると.マンドリンオケでは,ほとんどがディジタル楽器で,ローネでなくコンバスを使うときはバスのみがアナログになります.そのこころは? フレットの有無です.
まさに離散的にうってあるフレット.こいつのおかげで,純正律は出せないけれど,ずいぶん助かるわけです.ほんとは違うけど,原理的には,フレットとフレットの間のどこを抑えても同じ音になりますね.コンバスはフレットが無いから苦労もします.
ギターなんか,もしフレットレスだとしたら,たくさん抑えねばならない和音をきれいに正確に左手1本で出すことはほとんど不可能ではないか,と思いますね.
こういうギターやマンドリンのディジタルな特質が,楽器の裾野をうんと広げていると思います.つまり誰でも,フレットの「間」を押さえれば音がわりと正確に出る,と言うことです.バイオリンではこうはいかないよね.
さらにディジタルなのは,マンドリンのトレモロですね.こいつはまさに離散的なピッキング音を繰り返してあたかも連続音であるかのように聞かせるわけです.ディジタル通信による電話みたいな感じです(ぜんぜん違いまっせ,ほんまは).
このように,左手のポジションも右手の奏法もいずれもディジタルなのが,私たちがやっているマンドリンという楽器なんです.
これが最先端ディジタル楽器であるマンドリンのすばらしさなのです,とMCでは締めて笑いをとっておしまいだったのですが.まあ,そういう裾野の広さが逆に奥の深さを妨げているような気も少ししないわけではありません.
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