その11「信頼」

ちょっと音楽から離れた話題です.

先日,某パネル討論を聞いてきました.主題はECにおける信頼です.ECは言わずと知れたElectronic Commerce(電子商取引)です.ネットワークを使った取引は大変隆盛しています.私もネットオークションを利用しますし,本やCDなどをネットワークで購入することも多いです.そういうとき,見えぬ相手をどのように信頼するかってことです.まあ,よくあるパタンで完璧に認証して取引の相手の本人性を保証する方法と草の根的に評価ポイントを積み重ねて世の中的な信用によって相手を信頼する,と言う2つの立場で討論がなされました.予想通りどっちつかずの結論になりましたけどね.

そういう議論をここでするつもりは無いのですが,えらそうな社会心理学者の分類学が大したことないけどおもしろかったので紹介します.地図的関係論とスポットライト的関係論と言う話です.

前者は,誰と誰がどういう関係にあって,根回しをするにはどうしたらよいかなどを,人間関係をきっちり地図のように把握していく方法です.難題を「切り抜ける」にはよい方法ですが,地図の無いところでは無力になります.後者は,まさにスポットが当たったところで臨機応変に対処する方法論で,うまく行けば「出し抜ける」関係論です.

仕事では,攻めどころを間違えるな,といつも言われます.誰を攻めればいいのか把握すると非常に円滑に物事が運ぶわけです.地図ですね,まさに.マンドリンの世界はとても狭く,前者の方法論を身につけた人がうまく立ち回れると思いますね.また身につけていないと後ろ指さされてしまう可能性もあります.

個人的には,出し抜く必要はないけど,完璧な人間関係把握なんてなんだかつまんないなあと思ったりするのです.まあ,その性格がゆえに根回しせずに動き,出し抜きととられてしまい痛い目に遭ったこともありますが.

その学者が最初に言っていたのは,「信頼とは裏切られることを前提にして成り立つものである」ってことばでした.裏切られる可能性があればこそ,成功したときの見返りが大きいのである.完璧に「安心」できる関係は「信頼」とは関係ない世界であり,得るものは一定でしかない.どうです?おもしろいじゃないですか.信頼はギャンブルなんでしょう!!

決まった音楽も組織もつまんない.地図なんかいらない.日々スポットを当てて,未知のものを発見していきたいと思うわけです,せめて趣味では.だから失敗の可能性もいっぱいあってスリリングです.

これを書いて2年以上経ちましたが,学者のことばが当たっていたことを痛感してます(苦笑).
独り言表紙へ帰る